立教新座フィフティーンの気合いは十分。みんな引き締まったいい顔をしている。ここまできたら迷いはない。当たりの激しいタックルで浦和の出足を止め、立教ペースの展開に持ち込むこと。各々の責任範囲を確実に押さえて勝利を得ることのみに集中していることが伝わってくる。無用な固さや浮き足立った様子もない。これまでの積み重ねがそれぞれの自信となっているのだろう。
いよいよキックオフ。開始4分、浦和巨漢FWが縦突進を試みるが、立教が突き刺さるような鋭いタックル。これが相手のノックオンを誘った。目が覚めるようないいタックルだ。立ち上がり、気合で負けていないことが分かる。
浦和はFWに自信がある様子。その後も執拗に巨漢FWのサイド攻撃を仕掛けてくるが、それを押し戻すほどの立教FWの鋭いタックルが続く。浦和にとってはまったくペースがつかめない立ち上がりの展開だったはずだ。立教はよく守っている。が・・・、開始14分、立教自陣22mラインの内側でペナルティをとられてしまう。浦和はモールを組んで押し込む態勢。立教FWよく耐えるがジリジリと押し込まれトライを奪われてしまった。
しかし、その後の試合展開において両者の力に優劣は感じられない。むしろ立教に相手BKキックをうまくチャージして敵陣に攻め込むなど、積極果敢かつ見事なプレーが見られる。開始25分、敵陣10m付近中央マイボールスクラムから右に展開して独走、立教トライ。ゴールも決めて同点に追いつく。「行ける!」みんなが確信した瞬間だったと思う。しかしながらその4分後、立教自陣ゴール前中央付近で浦和にモールを組まれ、このモールがもはや動かないと見るや浦和はBKを全員モールに参加させる動き。立教BKこれにつられてモールに参加かと動いた瞬間に相手スクラムハーフにサイドのギャップをつかれてトライを奪われてしまう。ゴールを決められて浦和14-7立教で前半終了。
もとより接戦になるのは想定の範囲。この試合展開では後半立ち上がりが重要と皆意識していたはずだが、開始5分、比較的簡単に浦和BKにトライを奪われてしまい、その後12分にもスクラムからBKラインに回されてトライを重ねられてしまう。しかし、立教フィフティーンに意気消沈は見られない。自陣から積極的にパス回しで攻め、止められても早い球出しで次に展開。独走あり、連続攻撃ありで立教応援団を大いに沸かすプレーが続く。16分、立教執念の連続攻撃から左隅にトライを決める。ここで点差9点。「まだ時間はある、行ける!」立教必死の反撃。
しかし・・・その後浦和にPG、そして最後にモールを押し込まれての1トライを許してしまったところでノーサイド。立教12-34浦和。
ノーサイドの笛に地面に崩れ込む立教フィフティーン。勝てる可能性をかなり近くに手繰り寄せていただけに悔しかったのだろう。
君たちは最後までよく戦った。最後の1秒まで全力を尽くした。気持ちでは最後まで負けていなかった。
ほんとうにいいチームになったと思うが、高校ラグビーは非情だ。3年生はこれで高校ラグビーを終えることになる。
苦しかったこと、痛かったこと、楽しかったこと、笑ったこと・・・、いろいろな思い出があるでしょう。そしていつも一緒にいた仲間たち。
その経験と仲間たちがきっとこれからの君たちの人生の大きな支えになるはずです。
9年後、ラグビーワールドカップが日本で開催となります。
これからもラグビーを愛し続け、仲間を愛し続けてほしいと思います。
2年生、1年生はこの悔しさをバネにさらに個人スキル、集団スキルを磨いてください。来年はさらに成長した立教新座ラグビー部であることを期待しています。
最後になりますが、指導、監督してくださった先生方、指導、応援くださったOBの皆さま、応援くださった父兄の皆さま、そして最後までいいプレーを見せてくれた立教新座フィフティーンとそれを支えた立教新座ラグビー部全部員に心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました。 |